エステル化
この反応は可逆反応である
エステルに希塩酸または希硫酸を加えて加熱すると、H+が触媒として働いて、上式の右から左への反応が進行。
すなわち、エステルから酸とアルコールが生成します(エステルの加水分解反応)。
また、エステルにアルカリを加えて温めると、カルボン酸の塩とアルコールが生成します。この反応を特に、けん化という。
エステル化反応を十分に進行させたい場合は、ルシャトリエの原理に従い、生成物の水を反応系から取り除いて平衡を右に傾ける必要がある。
このために、触媒の H+ の供給源としては 濃硫酸を用いる。濃硫酸は H+ を供給するとともに、生成する水を水和する(脱水作用)ため、平衡を右(エステル側)に傾けることが出来る。
有機反応機構(カルボン酸とその誘導体の反応) (sekatsu-kagaku.sub.jp)
カルボニル化合物(カルボン酸) (sekatsu-kagaku.sub.jp)
カルボン酸はアルカリ条件下で以下のように解離します。
R-(C=O)-OH + OH- ⇔R-(C=O)-O- + H2O
このときカルボン酸イオンの二つの酸素上にマイナス電荷は等しく存在して、カルボン酸イオンを安定化しています。
カルボン酸イオンは電荷を持っていますから水の中に溶け込むことが出来ます。